京都大学経済学部卒業後、三菱化学に入社。化学プラントの設備調達や化学品の開発営業に携わる。2004年リファインバース社の設立に参画。カーペットタイルリサイクル事業の立ち上げを行なったのち、住友化学に転職し事業企画などの業務で活躍。2014年4月に再びリファインバースへ入社、現在に至る。
当社が生み出しているのは化学素材です。その原料が、石油といった天然由来のものではなく、廃棄物であるというだけで、本質的には化学メーカーと同じ。われわれ事業開発部の役割も、メーカーにおけるそれと同様といえます。具体的には、原料となる使用済み製品の仕入れルートを開拓することと、生み出された素材の販売先を開拓することです。
また、新規事業開発や用途開発も手がけます。たとえば当社が保有している高度な切削加工技術。この技術を、現在手がけているカーペットタイル以外の使用済み製品にも応用できないかを考える。あるいは、切削以外の技術、たとえばケミカル処理による素材分離技術なども検討する。これらによって、新たな原料、新たな素材を見出していくのです。
そうやって新しく生まれたリサイクル素材の用途を考え、取引先企業へ提案するのもわれわれの役割です。提案の際には、提案先企業がその素材をどんな製品に使用するのか、また、どのような生産体制を構築するのかといったスキームづくりにまで踏み込んでいきます。お客様を巻き込みながら中・長期的に事業を作り上げていく、やりがいのある仕事です。
使用済みカーペットタイルによる合成樹脂素材の水平リサイクルについては、すでに事業として確立され、拡大期に入っています。よって事業開発部としては、次の一手となる新規事業開発や用途開発に注力していきたいですね。
「削る」「溶かす」などさまざまな技術を使って、新たな使用済み製品からの素材分離・精製を検討し、事業化を推し進めていく。まだ詳しくは言えないのですが、今後は複合材の再資源化にも挑戦する計画です。複合材は構造が複雑なぶん、リサイクルしづらいわけですが、だからこそ商機がありますし、当社なら事業化が可能だと考えています。
分離や精製が必要なのは、リサイクル材に限らず、天然原料から素材を取り出す際にも同様で、そういう意味でも、新たなリサイクル対象を見つけるというのは、油田や鉱山を発見するのに等しいわけです。有効な使用済み製品を見出すことには、都市の中に油田を掘り当てたかのような、本当に大きな喜びがあります。
常に「次の展開」へと歩みを進めている部署なので、誰に言われなくても、新しい用途や顧客先などを自分で考え、提案してくれる人だと嬉しいです。また、そういうことが歓迎される風土ですから、ご本人にとっても仕事が楽しいと思いますよ。
「この素材ならこのメーカーに」というような、ある種の“正解”は別に求めていないんです。そういうことはすでに知っていることなので。たとえば「半導体分野にこういう技術があるけど、リサイクル分野に応用したら面白いんじゃないか」など、従来にない新しい組み合わせや意外な発見をもたらしてほしいですね。
そのためには、浅くて構わないので、世の中にあるさまざまな技術について広く関心を持ち、知っていることが重要だと思います。強い好奇心と、どんなことでも学んでいく貪欲さがあれば、特に出身学部や業界などを限定するつもりはありません。私自身も経済学部出身で、最初の頃は高校時代の化学の教科書を引っ張り出して勉強したクチですから(笑)。
それでもあえて親和性の高い業界は?と問われるならば、素材産業や加工メーカーといったところでしょうか。
いずれにしても、未知への挑戦を面白いと感じていただける方であれば、当社は相当やりがいのあるフィールドだと思います。興味があれば、まずはご連絡いただけると嬉しいです。